盲導犬となるために生を受けたラブラドール・レトリーバー。
ここに写っているのは、そんな犬たちの産まれて間もない時から半年くらいまでの姿です。
『盲導犬クイールの一生』という本を作るきっかけは、
盲導犬が育っていく環境と自分の生い立ちがオーバーラップしたことなのですが、
幼い頃からいっしょに生活し、心のよりどころとしてきた犬への執着が、
僕の背中を押したと言えるかもしれません。そんな思いを持っていたことで、
2003年6月に出した『パピーウォーカー』(全日出版)という本を執筆するにあたり、
盲導犬候補生の子供たちが産まれてからを、自分で写真に収めてみることにしたのです。
プロではありませんから、稚拙な仕上がりになることはわかっていたのですが、
なんとか自分の執着を写し取ってみたいと、撮影しながらの取材を進めました。
ここにはその時の、犬と僕とが共有した時間が残っています。
いくら少しだけとはいえ、
写真家でもないのに写真をまとめるとは、はなはだおこがましいのですが、
かわいい仔犬の姿がきっかけで、盲導犬育成の理解に少しでもつながればと、
つたない写真を提供させていただきました。
『パピーウォーカー』では、モノクロで本になったわけですが、
もともとネガカラーで撮っていたので、
カラーで見ていただきたいものはそのままカラーとしました。
そして、ポストカード切手面には、
写真に合わせてささやかなコピーを添えてみました。
このポストカードが届いて、心和んでもらえると嬉しいです。