盲導犬も人も、出会いと別れの数だけ、喜びがある。悲しみがある。感動がある。
石黒が、はじめて絵本を手掛けました。
絵を描いていただいたのは、木内達朗さん。
絵本を作るにあたり、世界に残る絵を描いていただける方をと考え、
知人を通じて御紹介いただきました。
盲導犬になる犬たちはみな、人との出会いと別れを何度かくりかえします。
「生ませの親」「そだての親」「しつけの親」のもとを経て
育っていく盲導犬の境遇に、自分の生い立ちとの共通点を感じた僕は、
不思議な力に背中を押されるようクイールの本を仕上げました。
そして今回、さらに多くの人に盲導犬への理解を深めてもらえればと、
わかりやすい絵本という形で綴ったストーリーを贈ります。
『盲導犬クイールの一生』が70万部と多くの人に読まれ、
ドラマ化され、映画も公開されます。
そして今回は、その作品の「芯」である、
「人と犬の心のつながり」について、
絵本という形で残したいと考えました。
世界じゅうの子供たちにも伝わるような、
どんな盲導犬にも起こりうるシンプルなストーリーで。
主人公のジョンという名前は、
僕が幼い頃家にいた3本足の犬から、
思い入れたっぷりで(笑)取ったものです。
僕がこの絵本で伝えておきたかったことは、
特別な犬の美しい生涯や運命の不思議さではありません。
どんな盲導犬と人との関わりにも起こりうるできごとを示しながら、
犬、動物、人を好きになるという気持ちと、
そのあたたかな感触を思い出してもらえれば……。
この絵本を通じて、またたくさんの人、たくさんの子供たちが、
あたたかな気持ちになっていただけれることを願ってやみません。
*本書の売り上げの一部は、
盲導犬の育成及び盲導犬使用者の支援のために使われます。
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