今、堂々と、カジュアル心理学宣言!
●私たちカジュアル心理学研究会のメンバーは、アカデミズムの世界に身を置く心理学者ではありません。編集、企画制作などをフィールドにするクリエーターたちの集まりです。 当会発足のきっかけである、前作の編著書『別冊宝島 発見・心理テスト』(宝島社 /2000年4月発売 ) を企画した私が、99年秋に、力があり、思いやりに溢れた、心を大事にできるエディター、ライターたちに呼びかけて集まったユニットです。 ●昔から文献をひもといて学問的に心理を勉強してきた専門家は一人もいません。そんなわけで、“偉そうに心理学を名乗る”のは本当に気が引けてはいます。「しっかりと研究されている方に、申し訳ないな」と。 ●ただ、私たちの日々の仕事の大部分は、いろんな人への取材や撮影、読者、出版社サイド、スタッフなど、多方面の状況を踏まえたうえでの打ち合わせなど。そんな、様々なジャンルの人と接する生活を続けるうちに、自然に“人の内面性を考える練習”をしているのかなあと思える時がよくありました。言ってみれば、肌身の読心感覚。そしてそれはすなわち、学問的じゃないけれども、心理学を噛み砕くベースなんじゃないか、と考え始めました。 ●ちょうど、自分の著書『快傑チャート診断室』を進めていた昨年、図書館で心理関係だけで50冊以上の参考文献を“かなり斜めに” 読みました。そこで、以前から興味を持っていた心理学に少し触れているうちに、その面白さを伝えたいと考えました。そして、興味が無い人でも、なんだか面白く心理学になじんでいける本がないこともわかってきたのです。知的興味を引く内容なのに、もろにアカデミックで普通の人は手にしない書物があるかと思えば、一方、偉い先生の語りを前作に準じてまとめただけの見せる工夫のない本などが多いんですね。なんか「うわー、面白そう!」と思わせてくれないわけです。 ●そこでじわじわと、「心理学をわかりやすく楽しめればいいな」と、エンタテインメントと融合させた斬新な切り口のテストなどを提唱していきたいという思いが高まってきたんです。そう、肩ひじ張らずに……。あくまで普段着でカジュアルに。デートはイタめしじゃなく、ホルモン焼きで、と。喫茶店に入っておしぼりで首をふきましょう。 ●そして、ここに図々しくも、今、堂々と、<カジュアル心理学宣言>を高らかに宣言します。 心理学者の先生に叱られてしまいそうですが、やはり「読む人にワクワクと楽しんだり笑ったりしてもらいたい」というサービス精神は持っていたいのです。 ●中には「この判定に根拠があるのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。それは仕方のないことだと思います。ふざけ感が漂う部分があるという自覚もあります。ただし、少なからずの根拠(私はこれを、“ブリッジ”と呼んでいます)はちゃんと用意させていただいてあります。また、それをこの本の中でこと細かに述べることに私は意味を感じません、説教くさいのは、この本には似合いませんよね。楽しく読んで、心理テストで盛り上がってもらいたいんですから。 ●占いがブームとなっていますが、そのほとんどは、生年月日などから判断する、いわば根拠が見えにくいものといえますね。 もちろん数秘術の神秘性は十分認知されてはいますが、<深み>というのか、<関連性まで含めての判定の楽しみ方>という部分で、クリエーター心では、物足りなさを感じざるを得ません。今後は、このカジュアル心理学の深み(笑)で、みなさんの笑顔が増え続けることを、しっかりしっかり、期待しています。
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