「盲導犬クイールの一生」(CD)
(ソニー・ミュージック)


石田ゆり子さんが

あたたかく透明感ある語りで朗読 


2004年6月23日発売
2500円+税
こちらで買えます
sony music

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石田ゆり子さん
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ブックレットには、石田ゆり子さんの一文と、
秋元良平さんの写真10数点も掲載されています。

石田ゆり子さんによる朗読CD発売のごあいさつ

見えない方に届けたかった気持ち  石黒謙吾 

『盲導犬クイールの一生』が刊行されて、すでに3年。部数は80万を数え、 ドラマになり映画になりと、なにかとかまびすしい動きの中、実は僕にはひと つ心残りがありました。それは、もっともこの本を読んでもらいたい盲導犬使 用者の方をはじめとする目の不自由な方には読んでもらえていない、というこ と。

 クイールの本の寄付の話しがきっかけで、全日本盲導犬使用者の会の本『犬 と歩いて… 〜盲導犬使用者の詩』(ワニブックス)を構成した僕は、使用者 である視覚障害者の方とのやりとりで、僕は、“目で読めない”ことへの意識 をあらたにしました。たとえばメールひとつとっても、目で見られないことを 前提にした文面をやりとりしなければならない(先方は音声ソフトを使ってい る)。原稿をお願いする文面は点字で作りました。そしてある方が言った何気 ないことばに思いを新たにしました。 「僕たちは読めないので、CDになったりしたらいいねえ」  そんな当たり前のことを、本作りという狭いフィールドで生きていた僕は考 えていなかったわけです。  また、盲導犬使用者の方々からは、こんな話しもよく聞きました。 「クイールの本、子供に読んでもらいましたよ〜!」  目の不自由な方には、やはり耳で聞いてもらって初めて作品が成立するのだ とようやく気付きました。僕の中に広がってくる“聞ける本”というテーマ… …。

 その思いが、旧知の仲であるソニーミュージック・安達正巳氏によって実現 しました。犬の一人語りという形式、クイールの持つ透明感、関わった人々の あたたかい気持ち。それらを読んでもらいたい人は、僕の中では石田ゆり子さ んだったのです。デビュー当時、仕事でお会いしたことがあったのですが、そ の時以来僕が持ち続けている透明な印象が、このストーリーの語り部としてぴ ったりで、また、石田さんがラブラドール・レトリーバーを飼っているからと いうわけではなく、犬っぽい(!?)イメージがその思いを後押しした感があ ります。

 録音スタジオでマイクに向かう石田さんをガラス越しに眺めていた時、目 の不自由な方のことを思いながら目をつぶってみました。このしみこむような 語りで、「盲導犬といっしょに歩いてみよう」と考える視覚障害の方が、ひと りでもふえればいいな、との願いながら。

 ※作品の売上の一部は、盲導犬の育成および盲導犬使用者を支援するために使われます。

朗読:
文:
写真:
音楽:
企画・プロデュース:
石田ゆり子
石黒謙吾
秋元良平
吉田弥生
安達正巳(ソニー・ミュージック)