青のり&紅しょうがのすべて
当ウルセー美術館、【絵画のフロア】にようこそおいでくださいました。
こちらは、ローガン石黒の描いた数多くの絵画の中でも
自著に描いた貴重な作品群でございます。
『たこやきDEマンボ!』というその書物は
やはりローガン石黒と同じく芸大浪人したあと、
こちらはしっかりと日大芸術学部に進んだ画家、
パラダイス山元との共著であります。
ちなみに、この書物の表紙は、パラダイス山元画伯によって
描かれたものとなっております。
2000年初夏の連作で、たこ焼きを主題とし、
躍動する青のりと、深い情念を込める紅しょうがの、
精神的なコントラストをモノクロームにより描ききった実験的な作品。
そしてこの作品の深淵性は他にあるのです。
青のりと紅しょうがのふたつ。
それは、メタファーとしての、
ピカソの青の時代、ビートルズの赤の時代の象徴なのです。
絵画と音楽を結ぶ時空を超えたつながりを、
ローガンはこの作品に封じ込んだのでございます。