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2013.8.4 日常日記部

「分類王・石黒謙吾さんに学ぶ“2択思考”」←感激!吉村智樹さんメルマガ

関西をベースに活動する、放送作家、ライターの吉村智樹さん。
僕の本をいつも気に留めて頂いてまして
僕もリスペクトしてます。
GWに上京された際にはじめてしっかりお話したのですが
そのときの話を、メルマガに書いて頂きました。
過分にお褒めいただき面はゆいながら
熱いメッセージに感激しまして全文転載させていただきます。
素直にうれしいわー。
こういうとき、本作るの楽しいなと思う。

______
■身辺雑奇

「分類王・石黒謙吾さんに学ぶ“2択思考”」
______

先ず、5月のゴールデンウイークに貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、
掲載が今日に至ってしまったことを、石黒謙吾さんにお詫び申し上げます。

なぜ遅れたのは。
理由は……(もうええ!)。

僕には尊敬するクリエイターが4人いる(マジで四天王!)。
そのうちのおひとりが「分類王」と異名をとる石黒謙吾さんだ。

石黒謙吾さんといえばユーモアの世界に「チャート式」を採り入れた始祖であり、
これが「分類王」と呼ばれるゆえん。

そして映画化もされたベストセラー『盲導犬クイールの一生』の著者として名高く、
またガラリと変わって、機智にあふれた『ダジャレ ヌーヴォー【新しい駄洒落】』で、
これまたベストセラーを成し遂げた人。

それだけではない。
この膨大にして多ジャンルに渡る
著書・プロデュース著・編著の数々を見て腰を抜かしてほしい。→ココ

きっと、あなたの本棚にも石黒さんが編集した本が幾冊か、ささっているはず。

「ええ!『氣志團現象』って石黒さんが作ったの?」
「パラダイス山元さん『ザ・マン盆栽』って石黒さんの編集だったのか!」
「犬山紙子が世に出たきっかけまで、よもや石黒さんだったとは。
なんというフィクサーぶり!」

そんなふうに、
なかには石黒さんが編んだとは知らずに買った本もあるのではないだろうか。

以前とある職人さんを取材した際に
「いい職人はいつも、やったことがないものをカタチにする。
伸びない職人は、同じものを作ることにこだわる」と言われ、ひれ伏したことがあった。
石黒さんの仕事はまさにそうで、どのお仕事も水のように器に順応して形がなく、
そして水のように美味しい。
ジャンルがてんでバラバラな本でありながら、
どれもそこかしこに石黒さんの指紋を感じ、それゆえとても安心できるのだ。

僕は石黒さんが手がけた本はどれも高品質だが
(しかも、あっという間に、おそろしい速度でたくさんの関連書が出てくる)、
なかでも強く影響を受けたのが、かつてマガジンハウスから発売された『2択思考』。
分類王がこれまでの主張を「2択」にまで削ぎきった、“シンプルな集大成”だ。

2択とは、どっちにするのかを迷うことではなく、
「迷うのか、迷わないのか」をまず決めるという考え方で貫かれたこの本は、
優柔不断では誰にも負ける気がしない僕のこころに強く響いた。
以来、選択に迷って危機的状況に陥ったときは、
この本を読み直し、窮地をかろうじて脱出してきた。

そんな名著『2択思考』がタイトルと版元を変えて新書化されたと聞き
(文庫化はよくあるが、新書化は珍しい)、
改めて「2択の極意」をうかがうべく、初めて石黒さんのオフィスをおじゃました。

石黒「3年前に出した本の新書化ということで、
内容を書き換えようかと思ったんですけど、
読み直しても変えようがないほど普遍的なことが書いてあるんですよ」

僕もそう思う。

むしろ3年前より現在の方が読者にリアルに刺さるのではないだろうか。

書店のサブカルエッセイの棚に並んでいた親本から、
サラリーマンが手に取ることが多い新書に姿を変えたことで、
この本がより切実に必要な人のもとへ届くようになったと思う。

石黒「一日でやれること、一日でやれる時間は決まっている。
だから『決めるなら決めろ、決めないなら決めない、を決めろ』
ということを書いたんです。
たいていの迷いごとは、多くの中からピックアップしようとするから生まれるんです。
たくさんのものを、すべからく2つに分けて考えると、
たいていのことは腑に落ちるはずなんです」

「決めるなら決めろ、決めないなら決めない、を決めろ」。

わかっちゃいても、これを実践することは難しい。
2択思考とは、心の強度に裏打ちされた思考だ。
たとえば石黒さんは、あることを「やらない」と決めている。
これができるか、できないかで、人生は大きく変わってくる。

石黒「僕、『天気予報は見ない』って決めてるんです。
だって、天気なんて変えようがないんだから。
あと、松井(秀喜)が言ってたんだけど、意外にも『打率争い』
は気にしていないそうです。他の選手の打率なんて、自分じゃ決められないからね。
自分で決められると思うから悩むわけで、
『決めないなら決めない、を決める』ことで、
自分はなにに努力するべきかがはっきり見えてくるんですよね」

かつては2000人を収容する巨大喫茶のウエイターとして判断力を養い、
『ホットドッグプレス』の編集者をやっていたときは、
グラビアアイドルの膨大なポジフィルムのどれを採用するか
(つまり、どれを捨てるか)
を瞬時に決断する精神力を鍛えた石黒さん。

石黒「時間がない状況で、おそろしい数のポジフィルムのなかから、
採用する一枚を探しだす。正解がないビジュアルを分けることは、
自分の内面性に深く関わることであり、この作業は本当に勉強になりましたね。
プロは『捨てる人』のことなんだって学びました。
『クレバーになる(冷静、機転が利く、頭の回転が早くなる)』
という訓練は、機会があるなら皆さんした方がいいと思いますね」

お話をうかがっていて、心地がいい。
声がよく通って、言葉に無駄がない。

考えていることに揺るぎがないから、言葉が澱まないのだろう。
スマートな考えは、言葉づかい、声の色まで変える力がある。
口癖が「え〜と」で、時に「何を言っているのかわからない」
と言われることが多い僕は、
決められない未整理ファイルがたまりすぎて重くなったパソコンのようだ。

石黒「僕は『時間を無駄するな』と言いたいわけじゃないんです。なにもしない、
ぼーっとする時間があってもいい。
ただ、今の世の中、努めて確保しないと『ぼーっとする時間』さえ作れないと思うんですよ。
そのためにも『決める』って大事なんです。僕は他の人の本を編集することが多いから、
大げさではなく1日およそ100案件を処理しなければならない。
ぼーっとする時間をつくるために勇気を出して
『夜はパソコンにつながない。ケータイも切る』って決めないと。
生活にオン、オフの線を引かないと、逆になんにも終わんないんですよ」

その他、「内容はあと。先ずは見出しを30作る」「文章は順番に書く必要はない」
「文章はワードで書かない方がいい」など目からうろこが5万枚なお話が聞けて、
本当に勉強になった。

石黒「よく『インスピレーション(直感)』って言うじゃないですか。
僕、自分はインスピレーションに頼らないんです。
『これとこれのどっちがいい?』を決める訓練があって、
なんでこっちに決めたのかという思考、論理があるものじゃないと、
作品にならないと思うんですよ。何でもいいやという癖がつくと向上しない。
選択とは向上心ですよ」

ちょっと難しい話になってきたが、
石黒さんの言う『これとこれのどっちがいい?』を決める訓練は、
生活の中で、少し考え方を変えるだけでできることもある。

石黒「たとえばの話ですが、飲み会に行くとき、
僕は飲み屋の近くの銭湯で先にさっと身体をきれいにしちゃうんです。
飲んだあとって、酔っ払ってるから風呂に入れないでしょう? 
それで身体がくさいまま寝て、
あとあと自分も他人も不快な気持ちになってしまう。
天気は自分で変えられない。
なら、自分で変えられるものは何かを決めようという、そういうことなんです」

▼決断できる人は2択で考える 石黒謙吾著 星海社新書 820円(税別)

▼石黒謙吾さんのオフィスにて
http://8257.teacup.com/tomokiy/bbs/104

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