歌舞伎の隈取り でわかる アナタが張りがちな見栄
隈取りに惹かれたのは小学校低学年の頃だったか。
金沢から歌舞伎を見に行くようなセレブ生活とは
対極の暮らしだったので、見たのはもちろんテレビ。
隈取りの色彩を認識しての好奇心、嗜好なわけだから、
家のテレビがカラーになって間もなくではないか。
歌舞伎の舞台に立つ役者の、模様が入ったその面妖な顔を見て、
幼き見立て心は、
ウルトラマンに登場する、ピグモンやバルタン星人を
投影していたような気がしている。
こいつらは顔のしわ的な部分が模様っぽいからだろうね。
一般的はコワイ設定のものだとわかっていたが
隈取りを見た僕はわくわくした。
カッコイイ、ではなく、美しい、でもない。
楽しいのだ。
その頃から幾何学的なものや構造的なものに吸い寄せられていた。
その後、成長し、隈取りの色が
「青は悪」「赤は善」と知り、歌舞伎中継で見る隈取りの
パターンの多様性にますます魅了されていく。
好き過ぎて、98年に出した著書ではこんなマトリクスを作ってみた。
さらになんだかんだと無理矢理に自分の記事に
隈取りを結び付け、『Title』(文藝春秋)の「チャートの王様」連載では、
「歌舞伎の隈取りでわかるアナタが張りがちな見栄」
という2択ビジュアル心理テストを作った。
↑ これやってみて。当たるよ、いやホント。
ちなみに「いにしえ部」絡みなら
「浮世絵でわかるアナタの組織への順応性」
↑ もやってみてほしい。
どうもこの
分類王の2択ビジュアルチャート、
↑ 原稿がコミカルタッチなのでデタラメやってるように誤解されている。
いちいち説明してないけど、実はきっちり心理学的な分析されてるんよ。
その説明がココ。
この隈取りチャートで使った画像は、国立劇場に正式にアポとって
膨大なポジフィルムから半日ががりでピックアップしたものである。
これは、舞台終了直後の役者の顔からまんま、
「魚拓」よろしく布や紙に写し取る激レアものだよお客さん!
「押隈」とか「隈押し」ってんだよこのぉ持ってけドロボー!
だから絵で描いたものより、横長にびよ〜〜〜んと延びているわけだ。
「ああ、団十郎の顔ってこんなナマズみたい!」
ってことではアリマセン。
<隈取り>で<見栄>がわかるというのは
もちろん歌舞伎の<見栄を切る>の見栄。
そこを結び付けて仕上げてあることを念のため。
最後に、そのバイブル、『隈取り ー歌舞伎の化粧』
の中からカラーページ中心にいくつかお披露目洋子。
↓ 歌舞伎ファン、文様好きは必携。
と書いてUPしたら、ユーズドも在庫なし。買っておいてよかった。。
↓ そこでこのあたりかな。
昭和の隈取〈第1巻〉―歌舞伎名優の記録 赤松雲嶺押隈コレクション (1979年)
昭和の隈取〈第2巻〉―歌舞伎名優の記録 赤松雲嶺押隈コレクション (1980年)