冷凍庫より寒い地で、死に至る労働と飢え。
人としての尊厳とは?
死者は6万人とも34万人とも……。
87枚の油絵と体験記で綴られる壮絶な3年間
戦後、まだ終わらない戦争があったーーー
シベリア抑留は悲惨の一言でした。
私の記憶に残蘇る1コマ1コマは地獄絵と言っていいものです。丸3年間で体験
し見聞きした出来事をできるだけ多くの人に伝えよう、残りの人生をそのことに
費やそう……。私がそう決意したのは65歳の誕生日を迎えた時です。サラリーマン
ならもう定年だな……と思った時、半世紀近く前の抑留生活のことが、あらためて
走馬燈のように蘇ったのです。あの壮絶な日々を世に遺すことはシベリアの地に
眠る同胞たちに対する私の務めだとも思ったのです。(勇崎作衛)
|