澤明や寺山修司も瞠目した、
決してお金では買えない執念のコレクション。
次世代に伝えたい「やさしさ溢れる暮らし」
津軽の地で古民具の収集に人生を賭けてきた田中忠三郎が、
そのすさまじいまでの人生を綴った自伝。
その生きる姿勢、考え方、行動から伝わってくるのは、
物への思いというより「人のやさしさとは何か」ということ。
必ず誰もががつんと心に響くはずです。
田中忠三郎
20代の頃より、下北アイヌの調査や縄文遺跡の発掘を始める。その後、調査
対象を民俗学の分野に広げ、江戸〜昭和に至るまでの衣服や民具(生活用具)
の収集・保存活動を行う。2万点以上に及ぶコレクションのうち、786点が国
の重要有形民俗文化財に指定され、その学術的価値ばかりでなく、
日本古来からの考え方「用の美」を体現した審美眼も高く評価されている。映
画「田園に死す」(寺山修司・監督)、「夢」(黒澤明・監督)への衣装提供
でも知られる。日本民具学界理事、国立民族学博物館国内調査委員、青森ねぶ
た祭奨励委員会委員長などを歴任。1983年に、紺綬褒章受章。2008年
に刊行された写真集『BORO』(小出由紀子、都築響一/アスペクト)に、裂織
・ぼろ布の多数のコレクションが収録され、国内外のデザイン関係者からも注
目を集めた。2009年、アミューズミュージアム名誉会長に就任。
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