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2010.8.31 編集者部

ボサノバ的ザツガクの本、超特急刊行への道

先日出た『キャンバスに蘇るシベリアの命』は5年ががりでしたが、
こちら対極に、4ヶ月弱でスピード刊行となった本が、9/8に刊行されます。

『このツイートは覚えておかなくちゃ。』
(嶋浩一郎)講談社

雑学ってお勉強感が漂いがちですが、
これは身近でかつ、さらっとしていて、&リズミカル。
なので帯コピーにて「ボサノバ的ザツガク」。

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プロデュース・構成・編集を手がけましたが、
企画思いついて著者の嶋さんにメールしたのが5/10。
当初は8/10売りで進んでてそのタイミングで出せたので
実際は3ヶ月で発売にこぎつけたという僕の中でも2番目のスピード記録。
ちなみにもっと早かったのは、パラダイス山元さんと緊急に造った
『たこやきDEマンボ!』です。

↓ 装幀は、寄藤文平さん。ハマったゆるさでいい感じ。
 10/21に出る僕の著書『2択思考』(マガジンハウス)も寄藤さんで今まさに進行中

このタイトルと、キャッチコピーの「ボサノバ的ザツガク」は、
嶋さんにメールした時にはすでに思いついていました。
というか、思いついたので、これは本になる、と行動に出たと言うべきか……。
すぐに企画書書いたのですが、その時、
『このツイートは覚えておかなくちゃ。』

『ボサノバ的ザツガク』
のどちらにしようかと迷ったのですが、
どこの版元も企画通す時は、よりキャッチーな、というかベタな、というか、
フックがあるものを欲しがりますので、まあ前者で。
通ってすぐにそのことも伝えましたが、
やはりツイッターという単語が香ばしく思えたようでコレに。
長い目で、ロングテールになる本なら後者だし、
内容的にもそちらのほうが近いのですが、
もし文庫にでもなるようなら、『ボサノバ的ザツガク』でもいいかなと。

↓ 中面はこんな。鈴木順幸さんのイラストが555ネタのうち、50コ入ってます

スピード刊行へのいきさつはこう。

嶋さんがよく飲みの席で披露するトリビア的ネタをまとめたら面白いなと思ってたら、
今年になってツイッター上でそれをつぶやき始めました。
最初は「へえー」と見ていたのですが、
半年ほど経ち「あ、これまとめればいいんだ!」と気付き、5/10に即連絡。
この時すでに、タイトルを『このツイートは覚えておかなくちゃ』と書いて送りました。
補足しておくと、嶋さんのザツガクネタツイートの最後が、
「〜な人は覚えておかなくちゃ」と締めることが多かったから。
以下、リアリティ溢れるメールのやりとりをご披露。

最初はツイッターで「これ本にできますよ」とDM送ってあとはこれ。

・・・・・・・・・
石<タイトルはこれ。『このツイートは覚えておかなくちゃ』 嶋浩一郎>
嶋<ホントに本になりますかね?>
石<僕がイケルと思って自分から動いてならなかった確率は3%ぐらいかなあ。
  その3%になる可能性もありますが(笑)
  この件マジで近々、ビールでもどうすか?遅めの下北でもお互い好都合かも??>
嶋<じゃあその3%にかけてみましょうか。
  19日の夜とかどうでしょう? ビールの会は。下北か代々木上原なぞ>
・・・・・・・・・

ここまで1日。
5/19に飲みつつイメージなど話して、5/20に企画書作成。
5/26にネタをすべてデータでもらい、
その日18時33分から、企画書を出し始めました。
これは急ぎネタだと思ったので、今回はメールで一気にたくさん提出。
(いくつ出していくかはいろいろなパターンあり。決めにくいのは多いし、
自信度高ければ1社づつ。あとは中間で、何社かとか、すべてカンです)
その日にまず8社。もちろん懇意にしている編集者ばかり。
うち3社はすぐにNGの連絡くれました。
これ、非常に助かるのです!

K社T氏 ●「ツイッターっぽくつぶやく雑学(うんちく)」
     という企画では売るのが難しい気が……。
G社K氏●面白いと思います。が、緊急でツィッター本を作っている関係で
P社I氏●その手には社として乗らない感じ。ロングでベタに売っていくうちの営業スタイル

みなさま理由もお書き添えいただき、また何かあればと、ありがたいことです。
企画は断られるのが仕事なので、さくさく×くれるのは思いやり感じますね。
残る社はその日、ノーレス。
その日に3つNGいただいたので、これは少し追加しようと、
翌27日、13時に1社、20時に1社追加出し。
13時のP社Y氏からはすぐ「ツイッターネタは、別の担当がしくじりまして」とNG頂く。
19時に、前日出した1社、G社のF氏より、会議に出してみますとレスあり。
ありがたいことです。
あと、連載やらせていただいていた『KING』の編集長だった
講談社の原田さんが書籍に移動になっていたと思いつき、
出せるものか20時に打診メール。
これで計11社出しの3社NG、残8社(うちレスなし6社)。
翌28日朝、講談社の原田さんから10:00にメールあり。
すぐに10:09に企画書送り、10:26に「面白い!エントリーします」とレス。
10:26に「あ、では決定させてください!まだ他から決定などないので。
       ありがとうございます!電話します」
でその場で念押しで電話して決定。
なななんと、企画書送って決定まで、驚異の17分!
原田さんが編集長だからなんですが、それでもすごい。
もはや自分的にこの記録をは破られることはあるまいて。

その翌日にレスのあったA社のM氏は「会議に出します」と頂きましたが
状況を説明してご了承いただきました。
同じく「会議に出します」だったG社のF氏にも同様に。
お二人ともおめでとうございますと言っていただきありがたいことです!感謝。
F社O氏は「これから検討します」、
B社H氏からは「他の部署がハマるので紹介します」とその日にレスありましたが、
やはり同様に説明を。

28日に決まったので、その直後、寄藤さんに電話で打合せアポ。
そのあとは、イラストレーター鈴木順幸に描いていただく段取りとか超特急で進行。
当初は、8/10発売で進めてましたが、校了直前で講談社より
<9月に入ってから、販売ががちっと力入れて売りたいと言うので>となり、現在に至る、と。

いきさつが僕としても面白かったので長くなりましたが、
早くできてもいいものはいい!
ということで、この本は買ってトイレに置いておかなくちゃ。

↓ これ、帯がついてない画像。帯は水色です。

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