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2010.3.12 ネタエッセイ部

45歳にして弟ができました

2007年3月のメルマガあいさつ文から。

ココと関連性深いのであとから読んでみてください。
あと、ココも参照すると話のつじつまが見えやすいです。
…………………

岡田眞澄は63歳で、上原謙は66歳で子供を作ったわけですが、
うちの父親76歳がこのたびめでたく……違う違う違う、
いくら僕の周りにネタが多いからといってなんぼなんでもそれはないっての。

昨年夏、生れて初めて会った弟と、
その夜、明け方まで飲みました。

32歳まで、ひとりっ子だということに何の疑いも持っていなかった僕は、
14年前、7歳年下の弟がいることを知ったのです。
と、この入りなら「実は“腹違い”の兄弟がね」となるのが
オーソドックス(松坂の入ったチームではない)ですが、
人と同じことが嫌いな僕ちんであれば、そこはそれひとひねり。
違いの向きが逆です。“種違い”。
こっちの響きのほうがマニアックで好きですが、
いかがでしょう? あ、考えたことない? ですよね。

長くなるのでいろいろなことを割愛してですね、
えーっととにかく、14年前に一度だけ電話ではなしたっきりだった
顔文字みたいなイニシャルの、T・Tさん(39歳)
と連絡取って、金沢市は竪町の路上で待ち合わせ。
こんなドラマティックなシーンに路上ってのもどうかと思うでしょうが、
ホテルのロビーとかだと、こっぱずかしくてイヤだったかも。

僕は和民とかで「♪ワタミばかよね〜、おばかさんよね〜」
と歌うぐらいライトなノリでいきたかったのですが、
セッティングしたのが向こうだったので
上品なレストランでフレンチとワイン、
続いて大人なBarへと流れました。
なぜ野郎ふたり、しかも半兄弟で……モッタイナイと心の中の僕。

ゆっくり話をしたわけですが、
目の前に降ってわいてきた弟とサシで何時間も杯を重ねていることが
だんだんと不思議に思えてきました。
盛り上がるでもなく、かといって固くなったりもせず
たんたんと会話は続いていきます。
T・Tさん(しつこいですけど泣いている顔文字ではありません)
もとい、弟は、僕と正反対の性格でした。
父親が違うからあたりまえといえばあたりまえか。
がさつ、おっちょこちょい、無鉄砲、勢いだけ、楽天的、声がでかい……。
今まさにみなさんがここを読んでイメージしている僕のキーワードに対して、
弟は(石原慎太郎の気分)、
思慮深い、ソフトリー、控えめ、柔和、悩みがちという雰囲気。
<体育会系 vs 文化系>の典型。

しかし「酒好き」というのはなぜかがっちりと一致。
母親のDNA、おそるべし。
ぐびぐび飲んでいると、弟は(今度は亀田興毅の気分)、
徐々に深く酔っぱらってきて、
軟弱でヘタレで堂々巡りみたいな面倒くさい話を連発し始めました。
で、ですね、その日、初めて会ったそこまで他人だったヤツ相手に、
ちゃんと叱ってカツ入れたくなりました。
静かなBarだったのでオブラートにぐるぐる巻きにくるんで
抑えに抑えて話しましたが、ほんとはパンチくらわ……(オイオイ)

「ああ、兄弟の気持ちってこれなんだ」
と故郷のバーで知った46歳の新米兄貴。
そして弟はさらに酔いつぶれへたれ続けでカウンターにて、
T・T ←こんな感じでした。

犬がいたから

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